中国は「金融危機」深刻化の年に
IMFも警告する「銀行破綻」の連鎖
2018年1月号
中国に対する国際金融市場の評価が急激に低下している。二〇一七年春に国債格付けが二十八年ぶりに引き下げられたのに続き、十一月には十年物国債の利回りが四%台に上昇。政府系金融機関が計画していたドル建て債の発行が市場に受け入れられず、相次ぎ延期に追い込まれた。国際通貨基金(IMF)などが警告を発し続けている中国の官民で積み上がる債務問題はいよいよ現実化しつつある。次に起きるのは信用不安による銀行破綻の連鎖であり、貸し渋りによる重債務企業の倒産の嵐だろう。
出回る銀行再編の青写真
昨年十一月下旬、中国国家開発銀行が予定していた七億ドル(約八百億円)の債券発行の見送りが明らかになると、邦銀を含め世界の大手銀行は中国の金融機関向け債権の警戒度を一斉に高め、新規の銀行間取引を渋り始めた。国家開発銀行は日本だと、日本政策投資銀行にあたり、国策的な大型プロジェクトへの資金供給を担う。
最近では、ブラジルの国営石油会社、ペトロブラスへの百億ドル(約一兆一千三百億円)の融資や大手家電メーカー、海爾集団(ハイアール)・・・
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