北京「貧民排斥政策」の冷酷
中国全土で始まる「人口選別」
2018年1月号
「過去に何度かあった地方の都市浄化作戦とは比較にならないほどの大規模で、かつ用意周到に進めている。中国では『人口選別』という新たな人権弾圧が始まった」
北京在住の欧州メディア特派員が指摘する。
北京市当局が市内に三百万人いるといわれる出稼ぎ労働者の一掃に乗り出した。火災予防のための「大整理」を名目にしているが、低所得者層の追い出しが狙いだと疑わない住民はいない。中国の都市浄化政策は北京をモデルに他都市にも適用されるとみられ、数億人の出稼ぎ労働者らが排除の対象になる恐怖に震えている。
ご承知の通り、出稼ぎ労働者が北京や上海やその周辺部から追い出されることは、これまでもあった。大半は、市の幹部などと癒着したデベロッパーがマンションや商業施設を建設するために住民に立ち退きを迫るケースだ。だが、今の北京で進行している事態は従来の「立ち退き」ではなく、市民をふるいにかけて移住させる新たな都市浄化政策だ。
ナチスの「水晶の夜」の再演
約五年前に発足した習近平指導部は腐敗撲滅を旗印に、・・・
北京在住の欧州メディア特派員が指摘する。
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ご承知の通り、出稼ぎ労働者が北京や上海やその周辺部から追い出されることは、これまでもあった。大半は、市の幹部などと癒着したデベロッパーがマンションや商業施設を建設するために住民に立ち退きを迫るケースだ。だが、今の北京で進行している事態は従来の「立ち退き」ではなく、市民をふるいにかけて移住させる新たな都市浄化政策だ。
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