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米中「北朝鮮崩壊対策」の密約

水面下で進む「核管理」への協業

2018年1月号

 米国のラジオ放送「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」は二〇一七年十二月七日、中国政府が、北朝鮮との国境地域にあたる吉林省長白朝鮮族自治県内の五カ所で、北朝鮮難民収容施設の建設を進めていると報道した。中国移動通信グループ白山支社の内部文書から明らかになったという。北朝鮮が崩壊した場合に備えた措置だとされている。
「この話は、難民収容などという単純な話ではない」。朝鮮労働党幹部だった脱北者はこう語る。「今回の措置は、米国と中国との間で十年以上前に交わされた約束がついに動き出したということだ」。
 この脱北者は〇四年、米中央情報局(CIA)要員とともに、ある計画の策定にかかわった。その計画とは、中朝国境地帯の中国側に北朝鮮を逃れてやってきた労働党や軍の幹部を一時収容し、北朝鮮の体制崩壊や核兵器探索のための情報を収集する拠点を建設するというものだった。
 この作戦の発想の出発点は朝鮮戦争だった。北朝鮮は当時、戦争による混乱を懸念し、十歳にも満たなかった金正日、金敬姫兄妹や万景台革命学院の在学生ら政府高官の子弟を中国東北部に疎開させた。同時に少なくない政府高官もこ・・・