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ロシアが隠蔽する「ウラルの核事故」

プーチン「秘密主義」が阻む真相究明

2018年1月号

 ロシアがまた、核事故を隠蔽した。昨年九月下旬に、ウラル地方にある核施設から、放射性同位元素ルテニウム106が大気中に放出されたのを、「米欧の衛星落下が原因」と強弁した末に、十二月半ば、「放出はいつもやっていること」と間接的に認めたのだ。
 六十年前の一九五七年に大規模爆発事故が起きたのと同じ施設が汚染源と見られ、各国関係者から「ソ連時代の隠蔽体質が全く変わっていない」と厳しい批判を浴びている。
 問題となったのは、首都モスクワから一千八百キロ東のチェリャビンスク州にある「マヤーク(灯台の意味)核技術施設」だ。
 昨年十月、ドイツ連邦放射線防護局(BfS)が国内六カ所で大気中の放射線量が異常に増大していると発表。さらにフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)が、「九月二十七日から十月十三日の間に、ニースやコルシカ島アジャクシオで、ルテニウム106が検出された」と指摘した。
 独仏両国は気象の状況から早い段階で、ウラル地方にある核施設、マヤークが汚染源であることをほぼ割り出していた。

六十年前にも大惨事が起きた施設・・・