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南アフリカを牛耳る「インド人三兄弟」

「汚職まみれ」資源大国の暗部

2018年1月号

 BRICSの一角であるアフリカの資源大国・南アフリカで、外国ではほとんど無名のインド人、グプタ三兄弟がジェイコブ・ズマ大統領やその一族を意のままに動かし、国家の富を簒奪するという異常事態が起きている。
 南アフリカ国内では三兄弟の支配は「国家丸呑み」と呼ばれ、ズマ政権の腐敗の中核事件に浮上している。
 国際的な影響も大きく、米連邦捜査局(FBI)は二〇一七年秋、三兄弟の汚職が米国企業にも及んでいる可能性があるとして、同兄弟に対する捜査を開始すると発表した。また、英国でも金融当局による捜査が始まっている。

私邸は「第二の大統領官邸」

 一四年に財務相の要職に就いたンフランフラ・ネネ氏は、与党「アフリカ民族会議(ANC)」の大物活動家だった。その彼でさえ、グプタ三兄弟の途方もない力を知ったのは、一五年十月の終わりのことだった。
 十月最後の月曜日の朝、ムセビシ・ジョナス財務次官がただならぬ様子で「内密の話があります」と大臣に打ち明けた。二人は周囲の耳を避けて、庁舎のバルコニーに出た・・・