何でもあり「イタリア総選挙」の見所
大衆迎合と極右「躍進」の狂気
2017年12月号
大衆迎合と極右「躍進」の狂気
何でもあり「イタリア総選挙」の見所
来年三月に実施される見通しの、イタリアの次期総選挙が面白い。世論調査でトップを走るポピュリスト(大衆迎合主義)政党「五つ星運動」を筆頭に、主要政党がこぞって実現不可能な「公約」を掲げる。セクシュアル・ハラスメント(性的嫌がらせ)、未成年女性の買春や脱税で一時は政界を追放された、シルビオ・ベルルスコーニ元首相がキング・メーカーになるシナリオまで、取りざたされている。
「まともな政党は一つもない」
イタリアでの「ポピュリスト」の称号は、前回の総選挙で旋風を起こした五つ星運動に冠されていた。だが、マテオ・レンツィ前首相が率いる与党・民主党は、「五百億ユーロ減税」の新公約で、有権者を困惑させた。「どこにそんな財源があるのか教えてほしい」(左派系のイタリア人記者)と指摘されるように、過去四年間、政権を担った政党としては大胆すぎる金額だからだ。
与党の公約は、ライバルである中道右派の一連の「公約」に明らかに引・・・
何でもあり「イタリア総選挙」の見所
来年三月に実施される見通しの、イタリアの次期総選挙が面白い。世論調査でトップを走るポピュリスト(大衆迎合主義)政党「五つ星運動」を筆頭に、主要政党がこぞって実現不可能な「公約」を掲げる。セクシュアル・ハラスメント(性的嫌がらせ)、未成年女性の買春や脱税で一時は政界を追放された、シルビオ・ベルルスコーニ元首相がキング・メーカーになるシナリオまで、取りざたされている。
「まともな政党は一つもない」
イタリアでの「ポピュリスト」の称号は、前回の総選挙で旋風を起こした五つ星運動に冠されていた。だが、マテオ・レンツィ前首相が率いる与党・民主党は、「五百億ユーロ減税」の新公約で、有権者を困惑させた。「どこにそんな財源があるのか教えてほしい」(左派系のイタリア人記者)と指摘されるように、過去四年間、政権を担った政党としては大胆すぎる金額だからだ。
与党の公約は、ライバルである中道右派の一連の「公約」に明らかに引・・・