アベノ「バブル」は必ず弾ける
吉野直行(アジア開発銀行研究所所長)
2017年11月号
―安倍晋三首相の続投で、アベノミクスも続きます。日本経済はどうなりますか?
吉野 「インフレ目標二%達成まで、金融緩和を続ける」という政策は危険だ。一九八〇年代後半のバブル期と現在を比べると、よく似た症状が見える。
バブル期の特徴は生産者物価が下がっているのに、消費者物価(インフレ率)が〇%台で落ち着いていたことだ。金融当局はインフレ率を見て「まだ大丈夫」と内需拡大を続けて、バブル崩壊を招いた。今も、生産者物価は二〇一五年にマイナス三・二%、昨年はマイナス四・三%と大幅に下がっているのに、インフレ率は上がらないという類似の事態が生じている。
バブル期には、円の対ドル為替が一九八四年の二百五十円台が八七年には半分に下がったことで、輸入財である石油が半額になった。今も石油価格が一三年以降、半分以下になった。世界経済の要因が生産者物価を押し下げている中で、日本が「二%」に固執すればインフレのふかしすぎになる。
―「日経平均株価が十六連騰」というのはバブルの兆候ですか?
吉野 「インフレ目標二%達成まで、金融緩和を続ける」という政策は危険だ。一九八〇年代後半のバブル期と現在を比べると、よく似た症状が見える。
バブル期の特徴は生産者物価が下がっているのに、消費者物価(インフレ率)が〇%台で落ち着いていたことだ。金融当局はインフレ率を見て「まだ大丈夫」と内需拡大を続けて、バブル崩壊を招いた。今も、生産者物価は二〇一五年にマイナス三・二%、昨年はマイナス四・三%と大幅に下がっているのに、インフレ率は上がらないという類似の事態が生じている。
バブル期には、円の対ドル為替が一九八四年の二百五十円台が八七年には半分に下がったことで、輸入財である石油が半額になった。今も石油価格が一三年以降、半分以下になった。世界経済の要因が生産者物価を押し下げている中で、日本が「二%」に固執すればインフレのふかしすぎになる。
―「日経平均株価が十六連騰」というのはバブルの兆候ですか?