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経済

中外製薬「抗がん剤研究」の闇

一流医師らと健保組合から「大金詐取」

2017年11月号

 超高齢化社会に伴う社会保障費の膨張で国家の累積赤字が急速に積み上がっていくこの国にあって、人々の生命を救う崇高な役割を担うはずの医療界が「保険金詐欺」とも断罪すべき不正にどっぷりと手を染めている。製薬企業から巨額の寄付金を受け取っておきながら、そのカネでは臨床研究に使う医薬品を購入せずに、健康保険に請求する狡猾な手口だ。この結果、製薬企業からのマネーは彼らの懐へ自動的に流れていく。こんな悪行が国立大学医学部の一流教授から国立病院機構の医師、都立病院の院長まで広く、深く蔓延しているのだ。増大一途の医療費を隠れ蓑に、そして格好の餌食として、常態化した知られざる医療詐取の術計を詳らかにしよう。
 日本の保険財政は破綻寸前だ。二〇一六年度の医療費は四十一兆三千億円で、十年前より八兆円余りも増えた。このうち約六割が保険料であり、いまや、医療費の削減は喫緊の課題だ。
 そんな危機的な財政状況にもかかわらず、不正請求を可能にしている根幹は、皮肉にも日本の国民皆保険制度だ。ご承知の通り、国民が受診した際、一~三割を自己負担すれば、残りは各人が加入する健康保険組合が支払う仕組み。こ・・・