三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

WORLD

ロシア次期大統領選も「茶番劇」に

プーチン続投に白ける民心

2017年11月号

 来年三月十八日投票のロシア大統領選に、ウラジーミル・プーチン大統領のかつての恩師で上司でもあったアナトリー・サプチャク元レニングラード市長の次女が出馬することになった。最も有力な反政府指導者、アレクセイ・ナバリヌイ氏に出馬をさせずに、どう選挙を盛り上げるかという苦肉の策と見られ、十七年続く長期政権の閉塞感が強まっている。
 突然出馬を発表したクセニア・サプチャク氏は十一月で三十六歳になる一児の母親だ。二〇〇〇年代前半に映画出演を経て、「ドム(家)2」というリアリティー番組の司会者として人気を得た。番組に参加する男女がペアを作り、最も熱々のカップルが家を勝ち取るという構成で、素人ポルノ的な要素もあって大ヒットした。
 サプチャク氏はマリインスキー劇場でバレエを学び、サンクトペテルブルク大学やモスクワ国際関係大学に進んだ。テレビ出演では「イケイケ女子」「パーティー・ガール」ぶりがさく裂し、自身のセクシーな外見とともに、バラエティー界の寵児になった。米国のメディアでは、スキャンダラスなホテル王の娘になぞらえ、「ロシアのパリス・ヒルトン」と紹介された。

・・・