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社会・文化

英王室が「庶民化」で大変貌

国民の心摑むキャサリン妃の「改革」

2017年10月号

 今年は英国王室にとって特別な年である。ダイアナ元皇太子妃が一九九七年八月三十一日に、パリで交通事故死してから二十年になる。テレビ各局の渾身の特別番組が視聴者をしんみりさせたのもつかの間、国内は数日後に別の王室ニュースに沸いた。ウィリアム王子の妻、キャサリン妃が第三子を懐妊したのである。
 短期間のうちにニュースの主役が入れ替わったことは、この二十年間で英王室が遂げた激変をはからずも象徴した。三百五十年ぶりの庶民出身の「未来の女王」は、ウィンザー家に嫁いでわずか六年で、「ダイアナの王室」を革命的に変えてしまったのだ。
 何より国民が変化を実感したのは、ダイアナ元妃の二人の子供であるウィリアム王子とヘンリー(ハリー)王子の変貌ぶりだ。二人の王子にキャサリン妃が加わると、三人の若者ははじけるように笑い、テレビカメラの前では仲良しのホームドラマが即興で展開される。
 今年四月にロンドンで行われたチャリティー・マラソンでは、三人が沿道に並んでランナーたちに声援を送った。主催団体は心のケアを扱う「ヘッズ・トゥギャザー」で、十代で母を失った二人の王子には、特に思い入れ・・・