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経済

《クローズアップ》芳井敬一(大和ハウス工業次期社長)

樋口会長とは二十歳差の新番頭

2017年10月号

 任期途中の社長交代は大手企業でも決して珍しくはないが、今回の大和ハウス工業の社長交代は、業界関係者はもちろんメディアも虚を衝かれた。
 大野直竹社長兼COO(六十八歳)が退任し、芳井敬一専務執行役員(五十九歳)が十一月一日付で、社長に就任する。大野社長の退任は健康上の理由とされているが、交代発表の記者会見に臨んだ同社長に退任を余儀なくされるほどの病の影を見いだした記者は皆無だった。
「業界内でも大野社長の健康不安説は噂にもなっていなかった」とライバル会社の幹部も首をかしげる。
「健康問題による急を要する社長交代なら臨時取締役会を開いて、即日でもいいはずだが、十一月まで一カ月半の準備期間を置くバトンタッチというのも話のつじつまが合わない」と業界関係者は指摘する。
 同業の積水ハウスが東京都内の土地取引をめぐり、地面師グループに六十三億円を詐取されるという驚愕の事件が明らかになったばかりだけに業界紙、週刊誌は大和ハウスにからむ地面師事件がないか、嗅ぎ回ったほどだ。
 大和ハウスの業績は好調だ。二〇一七年三月期は売上高が前期比一〇・〇%増の・・・