皇室の風 110
婚約取材の煉獄Ⅳ
岩井克己
2017年10月号
紀宮清子内親王と東京都職員黒田慶樹との婚約内定発表は、二度の延期を経て平成十六年十二月三十日に行われた。
記者会見で紀宮は、筆者からの「事前に書きたい」との申し入れに驚き、悩んだことを明かした。
「趣味ですとか興味を持つ事柄についても、お互いに異なっていて余り共通点というのはないのですけれども、何を大事に思うかということについて共感することが多くあるということも、ご一緒にいて安心できると思うことの一つかもしれません。最近のことで申しますと、この度の発表の時期のことについてでございました。まだ中越地震の被害に苦しんでいる人が多くある状態の中で行うべきことではないと思いながらも、一方で時期を遅らせますと、例えばスクープのような形で騒ぎが起こってしまい、そのような場合には、私よりもずっと黒田さんの方にご迷惑がかかるため、とても悩んでおりましたが、(黒田さんは)自分の迷惑のことについてであるならばそれは気にせずに、今何を大切にすべきかということを最優先に考えようとおっしゃってくださいました。そのことは本当にありがたく、そうした感覚を共にできることをとても嬉しく思いました・・・
記者会見で紀宮は、筆者からの「事前に書きたい」との申し入れに驚き、悩んだことを明かした。
「趣味ですとか興味を持つ事柄についても、お互いに異なっていて余り共通点というのはないのですけれども、何を大事に思うかということについて共感することが多くあるということも、ご一緒にいて安心できると思うことの一つかもしれません。最近のことで申しますと、この度の発表の時期のことについてでございました。まだ中越地震の被害に苦しんでいる人が多くある状態の中で行うべきことではないと思いながらも、一方で時期を遅らせますと、例えばスクープのような形で騒ぎが起こってしまい、そのような場合には、私よりもずっと黒田さんの方にご迷惑がかかるため、とても悩んでおりましたが、(黒田さんは)自分の迷惑のことについてであるならばそれは気にせずに、今何を大切にすべきかということを最優先に考えようとおっしゃってくださいました。そのことは本当にありがたく、そうした感覚を共にできることをとても嬉しく思いました・・・