新生銀行が踏み倒す 「税金四千億円」
金融庁が公的資金返済「恩赦」を検討
2017年10月号
森信親・金融庁長官が描く「金融処分庁」から「金融育生庁」への劇的転換。そのなかで、個別金融機関への行政処分などの手法を控えるという「恩赦」が話題になりつつある。たとえば、公的資金注入を受けた銀行への対応として、従来であれば、事前に金融庁に提出していた収益目標を下回った場合に下される行政処分なども封印されるという。果たして、このマイルド路線はどこまで広がるのだろうか―。
この夏、金融庁が実態調査に乗り出した先は複数の地方銀行だった。地銀業界では、マイナス金利と地方経済の低迷のダブルパンチによって、収益力が著しく悪化するケースが出始めている。公的資金注入の根拠法である金融機能強化法が前提としなかった事態が深刻化していると言っていい。そこで、ペナルティーによる経営へのプレッシャーを控えるという判断に傾いて、実態調査に乗り出したというのがその経緯だ。
そうしたなかで、金融業界でひそかに囁かれているのがある銀行に関する「恩赦」の噂である。その銀行とは、大手銀行のなかで唯一、公的資金を返済できずにいる新生銀行だ。ある大手銀行の幹部はこう語る。
「地銀の場合は同情・・・
この夏、金融庁が実態調査に乗り出した先は複数の地方銀行だった。地銀業界では、マイナス金利と地方経済の低迷のダブルパンチによって、収益力が著しく悪化するケースが出始めている。公的資金注入の根拠法である金融機能強化法が前提としなかった事態が深刻化していると言っていい。そこで、ペナルティーによる経営へのプレッシャーを控えるという判断に傾いて、実態調査に乗り出したというのがその経緯だ。
そうしたなかで、金融業界でひそかに囁かれているのがある銀行に関する「恩赦」の噂である。その銀行とは、大手銀行のなかで唯一、公的資金を返済できずにいる新生銀行だ。ある大手銀行の幹部はこう語る。
「地銀の場合は同情・・・