旭硝子は早晩「ジリ貧」に
三菱系優良企業が嵌った「中国の罠」
2017年9月号
今世紀に入って液晶パネルという巨大ビジネスを掘り当て、単なるガラス屋から電子産業に参入、優良企業の仲間入りをした旭硝子の先行きに暗雲が漂い始めた。儲け頭の液晶パネル向けガラスで中国企業が頭角を現し、単価も下落し始めたからだ。建設用、自動車用ガラスともに新興国メーカーの台頭で供給過剰が続く。潤沢な内部留保で海外M&Aに走るも、つかんだのは停滞するタイの塩化ビニールメーカーなど、将来を託せる銘柄ではない。三菱自動車、ニコンと三菱グループの製造業の凋落が続いているが、旭硝子にもその足音が近づきつつある。
「技術をほぼ中国側に知られた」
中国で今、最も活気のある都市といわれる広東省深圳。そのなかでも電子産業の投資が活発に続く光明新区に今年七月、液晶用ガラス基板の加工工場が着工した。旭硝子と、中国でトップを争う液晶パネルメーカーの華星光電(CSOT)との合弁だ。
旭硝子は同じ光明新区のなかに華星が構える第八世代の液晶パネル工場に隣接してマザーガラス工場を稼働させており、華星とは密接な関係を構築している。新工場も華星の増産に合わせて建設するもので、投資額は第二期・・・
「技術をほぼ中国側に知られた」
中国で今、最も活気のある都市といわれる広東省深圳。そのなかでも電子産業の投資が活発に続く光明新区に今年七月、液晶用ガラス基板の加工工場が着工した。旭硝子と、中国でトップを争う液晶パネルメーカーの華星光電(CSOT)との合弁だ。
旭硝子は同じ光明新区のなかに華星が構える第八世代の液晶パネル工場に隣接してマザーガラス工場を稼働させており、華星とは密接な関係を構築している。新工場も華星の増産に合わせて建設するもので、投資額は第二期・・・