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北朝鮮とイラン「核開発」の盟約

核弾道ミサイル「共有」は時間の問題

2017年9月号

 米国のトランプ政権から敵視されるイランと北朝鮮が、核開発とミサイル技術の協力を深めている。八月には北朝鮮の「ナンバー2」金永南・最高人民会議常任委員会委員長が多数の軍事専門家を率いて、テヘランを十日間にわたって訪問し、最高指導者のアリ・ハメネイ師、ハッサン・ロウハニ大統領らと緊密な意見交換を行った。
 イランと北朝鮮の「枢軸」が今後、これまで極秘にしてきた軍事協力を半ば公然化させていくのは確実で、口先介入ばかりのドナルド・トランプ大統領にとっては、米側の態勢が整わないうちに、「標的」であるはずの二カ国の結託に直面することになった。
 金氏のイラン訪問中、「反米」で最も盛り上がったのは、保守強硬派アリ・ラリジャニ国会議長との会談だった。イランのメディアによると、トランプ大統領の威嚇にひるまない北朝鮮を、議長は「称賛に値する」と褒めちぎった。
 金氏はこれに対して、「ミサイル開発には『誰の許可もいらない』というイランの立場を支持したい」とエールを交換した。
 ラリジャニ氏は、ブッシュ政権時代に国家安全保障最高会議書記として、自ら「核問題」のイラン側・・・