中国経済は年末に「谷底」へ
党大会向け「幻想の好景気」の終焉
2017年9月号
十月に開催される見通しの中国共産党大会に向け、好調維持が必須の中国経済に息切れの兆候が見え始めた。表面的には、不動産バブル退治と企業の債務削減のための調整だが、実態は国有、民間問わず優良企業の国内投資の抑制と海外への資産移転、政府の財政支出の減少だ。政府のインフラ投資と企業の設備投資で好景気を持続し、党大会で固まる習近平体制を絶対的なものにしようとする中国の思惑は齟齬を来す恐れが高まっている。中国経済は年末、谷底に落ちるリスクも見ておくべきだ。
マニュアルシフト車に「ヒール・アンド・トゥ」というドライビングテクニックがある。コーナーに突入する際の減速とコーナーから出た直後の加速のため、つま先(トゥ)でブレーキペダルを踏みながら、左足でクラッチを切り、踵(ヒール)でアクセルペダルを瞬間的にふかすという技術だ。
習政権の経済運営はまさにヒール・アンド・トゥを駆使してきたといっていい。「供給側改革」を主張し、過剰生産問題に着手する一方、景気が急減速しかけるとインフラ建設や不動産投資のアクセルを踏み込み、持ち直させる。
無理な成長を図らない中成長時代の到来・・・
マニュアルシフト車に「ヒール・アンド・トゥ」というドライビングテクニックがある。コーナーに突入する際の減速とコーナーから出た直後の加速のため、つま先(トゥ)でブレーキペダルを踏みながら、左足でクラッチを切り、踵(ヒール)でアクセルペダルを瞬間的にふかすという技術だ。
習政権の経済運営はまさにヒール・アンド・トゥを駆使してきたといっていい。「供給側改革」を主張し、過剰生産問題に着手する一方、景気が急減速しかけるとインフラ建設や不動産投資のアクセルを踏み込み、持ち直させる。
無理な成長を図らない中成長時代の到来・・・