東京ガス「土壌汚染犯罪」の全貌
関東十二カ所が「毒物危険地帯」に
2017年9月号
東京都荒川区の南千住といえば、かつては下町情緒のあふれるエリアだったが、近年はタワーマンションが林立する新興住宅地へと姿を変えた。中心地にある南千住駅は三路線が乗り入れるなどにぎわいを見せ、周辺地価はこの五年で二割も上昇したという。だが、この町ではかつて、地下水から様々な毒物が検出されたことがある。発生源は、今はなき東京ガスの千住工場だ。十六年前の調査では環境基準の三百三十倍のベンゼン、二百六十倍の砒素が地下水に混ざっていた。先に問題となった豊洲をはるかに上回る汚染レベルだが、そこには現在も、東ガスが千住事業所と名を変えて何食わぬ顔で居座り、近所の区立保育園では園児たちが毎日を暮らしている。東ガスによって地下水を汚されたのはここだけではない。基準の一千倍を超える汚染が発覚したエリアは、関東全域に散らばっているのだ。
安全管理の「手抜き」が原因
東ガスの施設で高濃度の汚染が発生している原因は、都市ガスの製造方法そのものにある。現代における都市ガスは、海外の天然ガスを液化したLNGを原料としているが、一九七〇・・・
安全管理の「手抜き」が原因
東ガスの施設で高濃度の汚染が発生している原因は、都市ガスの製造方法そのものにある。現代における都市ガスは、海外の天然ガスを液化したLNGを原料としているが、一九七〇・・・