トヨタ章男「EV無策」の禍根
マツダと資本提携した「哀れな真相」
2017年9月号
トヨタ自動車は八月四日、マツダとの資本・業務提携を発表した。大手メディアは「電気自動車(EV)の実用化に向けたグループづくり」と書き立てた。だが実態は全く違う。EVで提携するのであれば、EVどころかハイブリッド車(HV)すら持たないマツダからトヨタが得るものは何もない。EV陣営づくりを狙うのならば、二〇一七年三月期の世界生産百五十九万台にすぎないマツダよりも、同三百七万台で成長市場のインドを握るスズキとの資本提携が先だったはずだ。
「マツダさんとの提携で得た一番大きな果実はクルマを愛する仲間を得たこと」と、会見で豊田章男社長は提携相手を持ち上げた。格下のマツダに対して上下関係をはっきりさせる一方的な出資ではなく、「トヨタとしては極めて異例となる相互出資」(トヨタ関係者)という礼を尽くした。なぜか。
「トヨタがマツダとの資本提携で狙っているのは、低燃費エンジンのスカイアクティブ技術だ」と、自動車担当の専門紙記者は断言する。トヨタのHVは燃費競争で日産自動車のシリーズ型HV「ノートe−POWER」に猛追されるなど、その優位性が揺らいでいる。一七年一月と三月・・・
「マツダさんとの提携で得た一番大きな果実はクルマを愛する仲間を得たこと」と、会見で豊田章男社長は提携相手を持ち上げた。格下のマツダに対して上下関係をはっきりさせる一方的な出資ではなく、「トヨタとしては極めて異例となる相互出資」(トヨタ関係者)という礼を尽くした。なぜか。
「トヨタがマツダとの資本提携で狙っているのは、低燃費エンジンのスカイアクティブ技術だ」と、自動車担当の専門紙記者は断言する。トヨタのHVは燃費競争で日産自動車のシリーズ型HV「ノートe−POWER」に猛追されるなど、その優位性が揺らいでいる。一七年一月と三月・・・