インド経済は中国を越えられない
モディ改革に「見掛け倒し」の烙印
2017年8月号
「次はインド」と注目され続けたアジアの大国が苦悩している。七月から「物品・サービス税(GST)」が導入され、ナレンドラ・モディ首相の改革が実質的に緒についたものの、インフラ整備や工業振興は停滞したままだ。中国にどんどん引き離されるばかりか、東南アジアや南アジアの新興国から猛追を受けている。
モディ首相は、最近のアジア指導者の例にもれず、「謙譲の美徳」で知られる人物ではない。そんな首相が七月のインド国会で、開会に先立って野党「国民会議派」のソニア・ガンジー総裁の元に歩み寄って、合掌をしながら微笑み、友好ムードを醸しだした。
ところが、演説が始まると、新税制導入の頭文字をもじって「GSTとは『ともに強力に成長する(Growing Stronger Together)』ということだ」と自画自賛したものだから、野党席から嘲笑と野次が起こり、雰囲気は一変した。夏の国会は、この時期の気象から「モンスーン国会」と呼ばれるが、与野党対決はまさに大嵐だ。
新税制でも賄賂の悪癖は続く
GSTが、国民会議・・・
モディ首相は、最近のアジア指導者の例にもれず、「謙譲の美徳」で知られる人物ではない。そんな首相が七月のインド国会で、開会に先立って野党「国民会議派」のソニア・ガンジー総裁の元に歩み寄って、合掌をしながら微笑み、友好ムードを醸しだした。
ところが、演説が始まると、新税制導入の頭文字をもじって「GSTとは『ともに強力に成長する(Growing Stronger Together)』ということだ」と自画自賛したものだから、野党席から嘲笑と野次が起こり、雰囲気は一変した。夏の国会は、この時期の気象から「モンスーン国会」と呼ばれるが、与野党対決はまさに大嵐だ。
新税制でも賄賂の悪癖は続く
GSTが、国民会議・・・