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WORLD

トランプと旧ソ連の「黒い絆」

米国を「私物化」する大統領一家

2017年8月号

 ドナルド・トランプ米大統領の過去の事業が、ロシアやカザフスタンなど旧ソ連諸国との間の国際経済犯罪に当たる疑いが浮上し、米国の政治・外交が機能停止に追い込まれている。
 大統領は七月下旬、「大統領には自身を含めて恩赦の権限がある」と言い出し、米捜査当局への警戒心を丸出しにした。米国の新政権は発足半年余りで「政権崩壊」の可能性が取りざたされるほど、混乱と緊迫が高まっている。
 トランプ大統領は、彼の「自伝」(『トランプ自伝―不動産王にビジネスを学ぶ』=ちくま文庫)の実の著者トニー・シュウォーツ氏が「天性の噓つき」と形容する、虚言の塊だ。
 その半面、メディアの会見などで無防備に「真実」をぽろりと語る時がある。

プーチンが執着する養子縁組問題

 ニューヨーク・タイムズ紙が七月中旬に行った会見もその例だ。「安倍夫人は英語が話せない」と語ったと日本で伝えられた、その前の発言である。
 トランプ大統領は七月七日、G20夕食会後にロシアのウラジーミル・プーチン大統領と二人だけで非公・・・