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経済

丸紅が青ざめる「カタール断交」

収益の屋台骨が「大リスク」に暗転

2017年7月号

 サウジアラビア、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)など、有力なアラブ諸国によるカタールとの外交関係断絶は世界に様々な波紋を広げている。なかでも日本で最も大きな衝撃を受けたのは丸紅だろう。総合商社にとって欠かせない液化天然ガス(LNG)ビジネスの半分をカタールに依存し、発電所、下水道など同国で大規模プロジェクトを多数、手がけているからだ。断交に続き、アラブ諸国によるカタール制裁が本格化すれば、丸紅は屋台骨を揺さぶられかねない。
「第二のドバイ」。カタールの首都、ドーハはこの数年、こう呼ばれるようになった。奇抜な外観の高層オフィスビルや豪華なホテル、コンドミニアムが立ち並ぶ大都市に変貌した。高速道路や空港、マリーナ付き別荘地、ゴルフ場などもドバイに引けをとらない。そして今、二〇二二年のサッカーワールドカップ開催に向け、競技場などの建設も進んでいる。

OBが大使を務めるほど

 こうした急成長を支えたのはイラン、ロシアに次ぐ世界第三位の埋蔵量を誇る天然ガスだ。カタールはそれを液化して世界に輸出。年間生産・・・