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経済

日揮「優良企業」からの転落

赤字低迷「冬の時代」は続く

2017年7月号

 エンジニアリング業界トップの日揮で若手社長が事実上、更迭され、六歳年上で一度は退任していた元副社長が社長に就任する異常人事が行われた。
 二〇一七年三月期決算の最終連結損益が二百二十億円の赤字と十九年ぶりに赤字転落したことが引き金だが、原油など資源価格の低迷で、得意の液化天然ガス(LNG)や石油精製・石化などのプラントの引き合いが落ち込む構造的な問題に直面している。有力な新規分野も見えず、エンジニアリング業界は一九九〇年代以来の「冬の時代」に突入している。
 日揮の川名浩一社長(五十九歳)が副会長に退き、石塚忠・上席副社長(六十五歳)が社長に昇格する今回の人事はエンジニアリング業界だけでなく、産業界にちょっとした衝撃を与えた。
 川名社長は六年前に五十三歳の若さで社長に就任、二〇一三年一月に発生し、日揮や関連会社の社員など十人の日本人が犠牲になったアルジェリア人質事件を乗り切り、一六年三月期決算では四百二十七億円の最終黒字をあげるなど社長として十分な実績をあげてきたとみられていたからだ。
 日揮自身が今期は黒字転換する見通しを発表しており、「一・・・