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政治

世界で「噓」をばら撒く安倍外交

官邸と官僚の「忖度」は海外でも

2017年7月号

 加計学園問題で「首相のご意向文書」を「怪文書」と断じた菅義偉官房長官の「噓」が白日の下にさらされる中、今度は安倍晋三首相の要人会談を巡る日本政府の説明に疑いの目が向けられた。しかも世界からの冷たい視線だ。首相と会談したアントニオ・グテーレス国連事務総長の発言に関し、外務省が「慰安婦問題の日韓合意を歓迎した」と発表したところ、当の国連に「言っていない」と全面的に否定されたのだ。首相が慰安婦問題の最終解決を定めた日韓合意を破棄しようとする韓国にいらだつのは分かる。だが、韓国に対抗するために白を黒と反転させて伝えたとすれば、背徳行為と言わざるを得ない。暗躍するのは、首相の意向を「忖度」して、都合よく事実を書き換えようとする官僚群だ。このままでは日本外交の信用は崩れ落ちる。

発表に仰天した国連総長

 経緯を簡単に振り返ろう。安倍首相は、先進七カ国(G7)首脳会議に出席するために訪れたイタリア南部シチリア島の景勝地タオルミナで五月二十七日、今年一月に就任したグテーレス事務総長と初めて面会。外務省はその直後、会談結果に・・・