習近平が挑む「秘密警察」改革
「腐敗の権化」闇組織との危険な抗争
2017年7月号
中国で権力基盤を着々と固める習近平国家主席がついに、巨大政府機構の最深部に潜む「闇」にメスを入れる構えを見せた。闇とは、共産党独裁体制を裏で支える役割を担ってきた秘密警察「国家安全省」(国安省)を指す。国家機密のベールに包まれ、司法当局の目も届かない国安省は、不正や賄賂が行き交う中国行政組織の中でもけた違いに腐敗が進み、悪臭を放ち続けている。
これに手を打とうと習氏が乗り出したのが、国安省の全面解体も視野に入れた情報組織改革だ。情報提供を口実に「国安省利権」に群がる政商を追い払い、国安省幹部の不正ビジネスを一掃し、裏で跳梁跋扈する共産党幹部を排除する狙いがある。
だが標的にされた国安省サイドの目から見れば、習氏の取り組みは、自分たちの「米びつ」を奪うための政治闘争以外の何物でもない。しかも盤石な思想統制システムの上に成り立つ独裁政権にとって、秘密警察はいわば生命線。民主主義とかけ離れたその怪しげな組織の「健全化」を目指すという習氏の発想自体、矛盾に満ち満ちている。改革は難航必至だ。
背景に郭文貴の事件{b・・・
これに手を打とうと習氏が乗り出したのが、国安省の全面解体も視野に入れた情報組織改革だ。情報提供を口実に「国安省利権」に群がる政商を追い払い、国安省幹部の不正ビジネスを一掃し、裏で跳梁跋扈する共産党幹部を排除する狙いがある。
だが標的にされた国安省サイドの目から見れば、習氏の取り組みは、自分たちの「米びつ」を奪うための政治闘争以外の何物でもない。しかも盤石な思想統制システムの上に成り立つ独裁政権にとって、秘密警察はいわば生命線。民主主義とかけ離れたその怪しげな組織の「健全化」を目指すという習氏の発想自体、矛盾に満ち満ちている。改革は難航必至だ。
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