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「トランプ依存」危うい日本

泥沼「ロシアゲート」に沈む米政権

2017年6月号特別リポート


 昨年の米大統領選挙戦はトランプ共和、クリントン民主両党候補が互いに私行を暴露し合うという史上稀に見る醜悪さだった。政権発足後そろそろ半年に近づくのに、トランプ陣営はロシアと組んでクリントン氏当選を妨害したのではないかとの「ロシアゲート」事件が次第に足枷となり、予見し得る将来にわたって政権のエネルギーが消耗し続けるのではないかとの見通しが現実のものとなってきた。
「力」を背景に複数の関係国を牽制した米国の伝統的な外交・防衛政策がトランプ政権で登場したのは前号当欄の「習近平を『組み伏せた』トランプ」のとおりだ。
 ところが、この後、大統領によるコミー連邦捜査局(FBI)長官の電撃解任をめぐって米政界は揺れている。ホワイトハウス批判の急先鋒は、ニューヨーク・タイムズ(NYT)、ワシントン・ポスト(WP)両紙を中心とするリベラル系のメディアと民主党で、そのペースに乗ることは公平性を損なうことになるのは間違いない。
 新たに任命された特別検察官ロバート・モラー元FBI長官が手掛けるトランプ陣営とロシア政府の関わり合いの捜査が、どれだけの年月を必要とする・・・