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経済

トヨタが中国市場で「落伍者」に

電気自動車「出遅れ」が致命傷

2017年6月号

 最近、香港の道路で電気自動車(EV)の「テスラ」が目につくという。米テスラモーターズが生産・販売し、日本価格で九百万円からの高級EVだが、富豪の贅沢消費とばかりも言えないようだ。大気汚染が激しい香港は最大で自動車価格の二倍を超える重税を新車登録時に課しているが、二〇一七年三月までEVは免税されていた。免税措置が打ち切られてもEVの道路税や年間登録費が安いことやガソリン価格が割高で走行距離当たりのコストは電気の方が低いこと、さらには札幌市とほぼ同じ面積の香港全土に一千三百カ所もの公共充電施設があるといったインフラの充実も背景にある。だが、これを「香港だけの特殊事例」と考えるのは間違いだ。
「北京や上海といった大都市では大気汚染対策としてガソリン車の登録を制限しており、手っ取り早く新車に乗るならEVを選ぶしかない」(中国在住の日本人ビジネスマン)という。中国政府は一八年にさらに厳しい新エネルギー車(NEV)規制を導入し、メーカーにEVやプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)といった新エネルギー車の生産目標を課す。一六年九月に発表した中国政府の規制案では一八年に・・・