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経済

《地方金融の研究》第四銀行(新潟県)

北越銀を「併呑」する公家集団

2017年6月号

「言葉を選んで慎重に進めているが、実質的には第四による併呑だ。北越のいい部分をとって、冷え込む地元経済の心臓として新たなスタートを切ってもらいたい」
 地元経済団体である新潟県経営者協会の有力企業幹部はこう期待を語る。今年三月にネット媒体の報道を皮切りとして明るみに出た地元地銀、第四銀行と北越銀行の合併。四月五日には正式に両者が合意文書を交わし、来年四月の持株会社発足と、オリンピックイヤーである二〇二〇年の合併銀行スタートに向けて動き出した。
 合併ついて「地元メディアはほとんどノーマークだった」(新潟日報関係者)という。四月五日の会見で第四の並木富士雄頭取は、「昨年十二月、荒城(哲、北越銀行)頭取に将来的な経営統合を視野に入れた話し合いをしてみないかと申し上げた」と経緯を明かした。第一地銀である第四から手を差し伸べた格好だが、実際には「金融庁が両行を焚き付けたというのが正確」(全国紙記者)だ。北越側から合併を申し入れれば、足元をみられる。形だけでも第四から持ちかけたことにして、話はようやく前に進んだ。
 最古のナンバー銀行―。第四銀行にはこの肩書がついて・・・