《クローズアップ》宮内正喜(フジテレビ次期社長)
「日枝院政」七十三歳の番頭さん
2017年6月号
視聴率低迷と業績悪化にもがくフジテレビが、亀山千広社長を、BSフジの社長に“格下げ”する人事を発表した。亀山氏の更迭はある程度予想されていたが、その後任にBSフジの社長である宮内正喜氏が就くという人事は、同氏の七十三歳という年齢もあり、社内に波紋を投げかけた。巷間言われている通り、フジ・メディア・ホールディングス(HD)の相談役に退きながらも実質的な代表権を手放さない日枝久氏による「院政」が敷かれるのは当然だが、宮内氏に託されたフジ再建の道筋は極めて険しい。
宮内氏は番組制作などで大きなヒット作があるわけではない。慶應義塾大学法学部を卒業後、一九六七年にフジテレビに入社し、編成制作局長などを歴任したものの、幹部になって以降は編成や人事、総務を担当した。企業として危機に直面した二〇〇五年のライブドア事件では、宮内氏が事後処理に活躍し、数字と法務に強いことから、「日枝会長の参謀」と呼ばれていた。
〇七年、専務を務めていた宮内氏は、山田良明常務(共同テレビジョン前社長)などと並び「次期社長候補」の一人だった。結果的には宮内氏よりも四期下の豊田・・・
宮内氏は番組制作などで大きなヒット作があるわけではない。慶應義塾大学法学部を卒業後、一九六七年にフジテレビに入社し、編成制作局長などを歴任したものの、幹部になって以降は編成や人事、総務を担当した。企業として危機に直面した二〇〇五年のライブドア事件では、宮内氏が事後処理に活躍し、数字と法務に強いことから、「日枝会長の参謀」と呼ばれていた。
〇七年、専務を務めていた宮内氏は、山田良明常務(共同テレビジョン前社長)などと並び「次期社長候補」の一人だった。結果的には宮内氏よりも四期下の豊田・・・