「万年三位」三井物産の惨めな未来
いまだ「資源依存」経営の自業自得
2017年6月号
伊藤忠商事からは岡藤正広社長の含み笑いが聞こえてくる。
「なんや、覇気のない中計やったな……」
総合商社の二〇一六年度決算(連結)は、従来と様変わりの展開となった。前々期一五年度を振り返れば、三菱商事、三井物産が金属・エネルギー事業で巨額の減損損失を強いられ、いずれも創業以来初の赤字へ転落、非財閥系の伊藤忠商事が初めて純利益トップに立ったことは周知の通りだ。一六年度は資源価格の底打ちを受け、三菱商事が純利益四千四百三億円とV字回復を果たす一方、伊藤忠商事も三千五百二十二億円と躍進したものの、三菱商事には及ばず、その天下は一年で終わった。
しかし、“様変わり”なのはこの二社のことではない。一六年度三千六十一億円と三位に甘んじた三井物産の安永竜夫社長が、五月十日に発表した今年度から三カ年の新中期経営計画である。事前の観測は戦々恐々としていた。
「おそらく物産は野心的な数字を出してくる。彼らは最近の商事対伊藤忠という二強の風潮に業を煮やしており、安永さんも企画部門へ『数字を搔き集めろ』と発破をか・・・
「なんや、覇気のない中計やったな……」
総合商社の二〇一六年度決算(連結)は、従来と様変わりの展開となった。前々期一五年度を振り返れば、三菱商事、三井物産が金属・エネルギー事業で巨額の減損損失を強いられ、いずれも創業以来初の赤字へ転落、非財閥系の伊藤忠商事が初めて純利益トップに立ったことは周知の通りだ。一六年度は資源価格の底打ちを受け、三菱商事が純利益四千四百三億円とV字回復を果たす一方、伊藤忠商事も三千五百二十二億円と躍進したものの、三菱商事には及ばず、その天下は一年で終わった。
しかし、“様変わり”なのはこの二社のことではない。一六年度三千六十一億円と三位に甘んじた三井物産の安永竜夫社長が、五月十日に発表した今年度から三カ年の新中期経営計画である。事前の観測は戦々恐々としていた。
「おそらく物産は野心的な数字を出してくる。彼らは最近の商事対伊藤忠という二強の風潮に業を煮やしており、安永さんも企画部門へ『数字を搔き集めろ』と発破をか・・・