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政治

創価学会に「すり寄る」安倍

改憲と長期政権維持への焦りから

2017年6月号

 会食中に目の前の相手ではなく別の人のことばかり考えてしまうのは、最初から相手が好きでなかったということだろう。四月二十四日に総理大臣官邸で公明党代表の山口那津男と昼食を共にした総理大臣・安倍晋三のふるまいが、まさにそれだった。
 この日の会談の主眼は、不倫報道で経済産業政務官の職と自由民主党の党籍を失った中川俊直の件を連立相手に謝罪することだった。重苦しいはずの会合の最中、どちらが中座したかは定かでないが、山口が視界から消えた短い時間に、安倍は側近に電話した。
「谷川さんと会えないか。親しい自民党議員は誰?」
 谷川とは、公明党の支持母体である宗教法人・創価学会の主任副会長で、次期会長の呼び声高い谷川佳樹のことだ。
 現会長の原田稔の後任争いで二〇一五年まで谷川と共にトップを走っていた正木正明・参議会副議長は、多くの政治家と親しく交流していたが、谷川は永田町とのつきあいはほとんどなく、表舞台に登場しない黒子役に徹している。第一次安倍政権(〇六~〇七年)発足に際し、創価学会名誉会長の池田大作と会談した安倍にとっても、谷川は遠い存在なのだ。
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