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連載

西風433

ドヤ街横に「高級リゾート」

2017年6月号

 大阪人を仰天させた計画の概要が徐々に明らかになり、地元では期待する声が高まっている。高級リゾートホテル、旅館を展開する星野リゾートが三月に、日本有数のドヤ街で知られる新今宮駅前(大阪市浪速区、西成区)でのホテル建設計画を発表した際には、多くの大阪人が「ホンマかいな」と耳を疑った。四月二十四日に同社の星野佳路代表が会見でその意図をこう語った。
「新今宮を観光客の視点で先入観を持たずに見ると、高い潜在力がある」
 確かに新今宮駅にはJRや南海電鉄、地下鉄が乗り入れ、関西空港には特急で一本だ。観光スポットの通天閣や新世界には歩いて数分の距離。超高層ビルの「あべのハルカス」や天王寺動物園にも近く、外国人に人気の道頓堀やUSJなどへのアクセスも良い。
 外国人旅行者の急増によって宿泊施設不足が深刻な大阪では、ここ数年ホテルの建設ラッシュが続いている。来年末までに八千五百室以上が増える見通しだが、それでも〝焼け石に水〟で、ホテル稼働率は九〇%に達し、個人がホテルを予約するのは絶望的な状況になっている。
 ホテル建設予定地の駅を挟んだ南側には今でも多くの日雇・・・