五月、世界各地を震撼させた同時多発型サイバー攻撃。ロイター通信は、北朝鮮の関与を疑う記事を配信した。米国とロシアの情報セキュリティー会社が、攻撃に使われた「ランサム（身代金）ウェア」のプログラムの一部が、北朝鮮のハッカー集団「ラザルス」が過去に使ったプログラムと類似していると証言したからだ。米・シマンテック社によると、ラザルスは昨年二月、バングラデシュ中央銀行から、サイバー攻撃によって八千百万ドル（約九十億円）を盗んだ。
　韓国の国防白書で六千八百人余りと推定される北朝鮮サイバー部隊の実態とはいかなるものなのか。
　北朝鮮関係筋によると、北朝鮮でサイバー部隊が初めて誕生したのは一九八〇年代。北朝鮮軍総参謀部作戦局にサイバー部隊が置かれた。金日成総合大学や金策工業総合大学にコンピューター学科が新設された。全国から、数学などの成績が優秀で「これは」と思う人間が集められ、年間数百人単位で、新たなハッカー要員を次々養成した。

ミサイル技術の向上にも関与

　国際社会から孤立する北朝鮮だが、彼らの強・・・