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インドで広がる「イスラム国」

在留邦人・観光客はテロに要注意

2017年6月号

 インド北部ジャンムー・カシミール州で「イスラム国(IS)」の黒い旗を掲げる若者が相次いでいる。三月には中心都市スリナガルの反政府デモで若者たちの集団がISの旗を持って参加。五月一日にはプルワマ地区の学生によるデモ隊がISの旗を掲げた。「カシミールの若者には二つの選択肢がある。ツーリズムかテロリズムか。過去四十年間、テロは何も与えてこなかったはずだ」。インドのモディ首相は四月二日、カシミールでこう演説し、若者に暴力の放棄を訴えた。だが、若者たちとインド治安部隊との衝突はおさまらない。インド情報機関の元幹部は「インド軍を挑発するために旗を掲げているだけで、ISとのつながりはない」とみるが、治安部隊へ投石を繰り返す現地の十代の少年たちは口をそろえる。「ISに参加する準備はできている」。

グローバル・ジハードへと傾倒

 政情不安が続くカシミールで、イスラム過激主義が急速に広まっている。同州には七十万人規模のインド治安部隊が駐留し、カシミールの独立やパキスタンへの編入を主張する「分離派」の取り締まりを行っている。こう・・・