フランス政界「マクロン」が大再編
二大政党はいずれも「分裂」へ
2017年5月号
フランスの次期大統領に、最短距離の位置につけたエマニュエル・マクロン前経済相が、フランス政界の大掃除を仕掛けている。四月二十三日の第一回投票で惨敗したオランド大統領の与党「社会党」の解体はもちろん、三位で敗退した中道右派「共和党」の分裂も視野に入れている。三十九歳の怖いもの知らずの登場で、仏政界は数十年に一度の再編期に入った。
来るべき大再編を予感させたのは、第一回投票直前の四月十九日の出来事である。
西部ナントの「ゼニト」ホールで行われたマクロン氏の集会に、地元選出のジャン=イブ・ルドリアン国防相が登場して、会場の五千五百人が大いに沸いた。
「自分は国防相という立場があるから」と応援演説こそ辞退したものの、「国防政策に関して、マクロン氏はしっかりした方向性を持っている」と述べた上で、「要するに、私とこの人は仲間だよ」と、満面の笑みで政治の後輩と肩を組んだ。
ルドリアン氏はブルターニュ地方の労働者家庭の出身。苦学してレンヌ大学を卒業した後、ミッテラン元大統領にあこがれて社会党に入り、ロリアン市長から政界の階段を昇っていった。秀才ぞろいのオ・・・
来るべき大再編を予感させたのは、第一回投票直前の四月十九日の出来事である。
西部ナントの「ゼニト」ホールで行われたマクロン氏の集会に、地元選出のジャン=イブ・ルドリアン国防相が登場して、会場の五千五百人が大いに沸いた。
「自分は国防相という立場があるから」と応援演説こそ辞退したものの、「国防政策に関して、マクロン氏はしっかりした方向性を持っている」と述べた上で、「要するに、私とこの人は仲間だよ」と、満面の笑みで政治の後輩と肩を組んだ。
ルドリアン氏はブルターニュ地方の労働者家庭の出身。苦学してレンヌ大学を卒業した後、ミッテラン元大統領にあこがれて社会党に入り、ロリアン市長から政界の階段を昇っていった。秀才ぞろいのオ・・・