三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

WORLD

「朝鮮特需」再来の可能性

ブルース・ベネット(米ランド研究所上級研究員)

2017年5月号

 —トランプ米政権は、北朝鮮に対して先制攻撃をするでしょうか?

 ベネット 空爆で特定の標的を狙う「外科手術的攻撃」は意味がない。四月に巡航ミサイルでシリアを空爆した際、一〜二日後には機能が復旧した。北朝鮮の核兵器、弾道ミサイル関連施設は標的にするべきものでも百〜二百あり、多くが地下深くに隠されている。
 米国が攻撃すると、北朝鮮は米側の攻撃がこれで終わりか、まだ続くのか判断のしようがない。即座に韓国や日本への全面的報復攻撃に踏み切るだろう。米側の意図がどうあれ、外科手術は大規模な戦闘の引き金になる可能性が高い。攻撃に踏み切る時には、戦争が一気に拡大することを覚悟しなければならず、今はそこまでの準備はない。

 —トランプ政権は過去の米政権とは異なる姿勢なのでしょうか?

 ベネット 北朝鮮の脅威を傍観せず、具体的行動を起こすという意思は強い。そこには軍事介・・・