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経済

銀行界「反社会勢力」排除に暗雲

警察庁との連携で直面する「難題」

2017年5月号

 反社会的勢力との取引、いわゆる反社取引の遮断の強化を巡って、銀行業界が難題に直面している。言うまでもなく、暴力団など反社勢力の資金源を断ち、経済分野への進出を食い止めるための水際戦略が銀行の窓口対応に求められてきたのだが、一段の強化策によって顧客へのサービス水準の低下などが避けがたい情勢になっているからだ。
 反社取引防止の取り組みは、政府が二〇〇七年に策定した犯罪対策閣僚会議幹事会の申し合わせに基づいて、銀行業界も動き出した。それを一挙に加速させたのが一三年に発覚したみずほフィナンシャルグループによる「反社取引事件」だった。
 みずほ銀行が系列ノンバンクであるオリエントコーポレーションと組んだ提携ローン商品で二百三十件余りの反社先への実行があり、それを同グループが長らく見過ごしてきたことが明らかになった事件である。その報告が上がっていたのに、取締役会がそれを無視するというお粗末な対応まで含めて、みずほグループが大きな批判を浴びた。みずほグループのみならず、銀行業界全体を呑み込んで、「反社取引対応」の厳格化を求められることになった。
 いま、銀行業界のな・・・