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経済

トヨタ「ハイブリッド一強」に異変

「プリウス・キラー」登場の衝撃

2017年5月号

 トヨタ自動車の屋台骨を支えるハイブリッド車(HV)。二〇一六年(一〜十二月)のトヨタ国内乗用車販売台数中、HVが占める割合は四八・〇%と半数近くに達した。今や「トヨタ車でまともな競争力があるのはHVだけ。HVなしにディーラー経営は成り立たない」(トヨタ国内販社幹部)という大黒柱的な存在だ。他社にもHVはあるが「HV=トヨタのイメージが強く、ほとんど競合しない」(同)という。そのため値引き率も低く、国内自動車市場が縮小する中、ディーラーにとって貴重な収益源になっている。だが、「向かうところ敵なし」だったトヨタのHVに強力なライバルが現れた。韓国・現代自動車の「アイオニック」だ。
「アイオニックは昨年に登場したばかりのHV。誕生から二十年を超えるプリウスとは完成度が違う。ライバル視もしていない」と、トヨタ関係者は切り捨てる。トヨタのHVは一七年一月に世界累計販売が一千万台を突破した。リーマンショックの起こった〇八年までは北米が最大のHV市場だったが、〇九年以降は日本がトップに立っている。
 しかし、ここ五年間の国内HV販売は約六十三万〜約六十八万台と頭打ちに。代わって・・・