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経済

日立・川村「東電会長就任」に潜む危険

英原発輸出で東芝の「二の舞」も

2017年5月号

 日立よ、お前もか—。こんな半畳が入りそうな顔見世だった。
「あらゆる分野で再編・統合の可能性はある」
 東京電力ホールディングス(HD)会長に就任が内定した日立製作所の川村隆名誉会長は四月三日、正式に記者会見し、東電再建に向けた意欲を語った。とりわけ再建の課題は、他の電力会社との原子力事業の統合であり、日立の重電部門出身の川村氏の経営手腕に期待がかかる。しかし、奇しくもこの日の五日前、東芝は子会社の原子炉メーカー、米ウエスチングハウス(WH)の連邦破産法十一条の適用申請を発表し、二〇一六年度に一兆円超の最終赤字を計上、約六千二百億円の債務超過へ転落する見通しが判明していた。
 東電再建に乗り出す日立と巨額債務超過に陥る東芝—。あまりにも鮮やかな明暗だが、それを分けたのは両社の原子力事業の巡り合わせの違いにすぎない。東芝はWHによる無謀な米国の原発建設が命取りとなった。翻って、ある重電関係者は川村氏の記者会見に「いつか見た光景」とデジャヴ(既視感)を訴える。
「東芝は国に勧められてWHを買収し、日立も国に頼まれて東電再建に・・・