《企業研究》JR東日本
赤字路線と事故だらけの老朽鉄道
2017年4月号
旧国鉄の分割民営化で誕生してから今年四月で丸三十年。東日本旅客鉄道(JR東日本)が転機を迎えている。二〇一五年三月の北陸新幹線の金沢延伸や一六年三月の北海道新幹線の一部開業で自社の営業エリアに絡んだ新幹線の整備がすべて完了。新幹線頼みでやって来た従来型成長モデルの見直しを迫られているためだ。
「他人事ではない。ウチも早急に何らかの方向性を打ち出さなければ、いずれ大変なことになる」
経営不振の続くJR北海道が「単独での維持が困難」として新たに十路線十三区間での廃線または廃線の可能性を表明した昨年十一月。JR東日本の幹部はこうつぶやいて危機感をにじませた。
JR北海道が「維持困難路線」として掲げたのは、営業係数が一〇〇を大きく超え、輸送密度が概ね二千人未満の路線。つまり百円の収入を得るのにそれ以上の費用がかかっている営業赤字の路線で、一キロメートル当たりの一日の平均輸送人員が二千人にも満たない路線だ。ところが—JR東日本は、その北海道をはるかに上回る数の不採算路線を抱え込んでいるのである。
全路線の四割超で採算性に問題・・・
「他人事ではない。ウチも早急に何らかの方向性を打ち出さなければ、いずれ大変なことになる」
経営不振の続くJR北海道が「単独での維持が困難」として新たに十路線十三区間での廃線または廃線の可能性を表明した昨年十一月。JR東日本の幹部はこうつぶやいて危機感をにじませた。
JR北海道が「維持困難路線」として掲げたのは、営業係数が一〇〇を大きく超え、輸送密度が概ね二千人未満の路線。つまり百円の収入を得るのにそれ以上の費用がかかっている営業赤字の路線で、一キロメートル当たりの一日の平均輸送人員が二千人にも満たない路線だ。ところが—JR東日本は、その北海道をはるかに上回る数の不採算路線を抱え込んでいるのである。
全路線の四割超で採算性に問題・・・