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経済

金融庁長官・森信親の「虚と実」

ワンマン男「続投内定」に批判噴出

2017年4月号

 各金融機関のトップはさぞかしうすら寒い気分だろう。金融界で「地震、カミナリ、ノブチカ」と恐れられる一方、金融行政の改革派として持ち上げられてきた金融庁長官・森信親の三期目の続投が内定したとの情報が駆け巡っているからだ。
 森が官房長官菅義偉から寵愛を受け、財務相麻生太郎にも食い込んでいることは周知の事実。森は二月、両者から続投を強く要請され、受諾したという。
 前々代の長官、畑中龍太郎(現コロンビア大使)も在任期間は三期にわたっており、異例というわけではない。だが、畑中続投の際には、周囲に「長官を三期やるべきではない。組織の停滞を招く」と口にしていた森自身が、その禁を犯すことになる。まさに皮肉と言うほかはない。
 確かにフィデューシャリー・デューティー(受託者責任)やベストプラクティスなどという、森が繰り出す横文字スローガンのオンパレードに金融行政の斬新さを見いだす金融関係者は少なくない。
 隙あらば、顧客から様々な名目で手数料をふんだくろうとする金融機関は後を絶たない。しかし、証券会社や銀行の回転売買押し付けによる販売手数料稼ぎは、今や預かり・・・