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EU危機「どこ吹く風」のポーランド

英国離脱を好機とする「経済優等生」

2017年4月号

 極右ポピュリズムで大荒れの欧州連合(EU)で、欧州統合の利点を味わっているのが、旧共産圏の中・東欧諸国だ。中でもポーランドは、白物家電など大衆消費財の生産から、金融サービスまで手掛けて、米金融大手「ゴールドマン・サックス」など世界企業の誘致に相次いで成功し、英国のEU脱退(BREXIT)の最大の受益者になるとの予測まである。
 ポーランドを「EU統合の優等生」と呼ぶと、欧州委員会があるブリュッセルでは、眉を顰められる。ベアタ・シドウォ現首相が率いる「法と正義」党政権が一昨年十一月に誕生して以来、強権的・独裁的手法でEUやドイツ、フランスとの関係を悪化させた。
 今年三月に行われた欧州理事会議長の選挙では、ポーランド元首相であるドナルド・トゥスク氏の再選を、「彼はベルリンの操り人形だ」として、加盟二十八カ国中唯一、最後まで反対し続けた。その後も、トゥスク氏をポーランド国内で刑事訴追して、議長職から追い落とそうと執拗に攻撃している。

日本の高度成長期のよう

 一方で経済は好調。昨年の国内総生・・・