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米国を操る「ユダヤ系ロシア人」

トランプ外交政策を陰から差配

2017年4月号

 ドナルド・トランプ米大統領とロシアの関係に関し、連邦捜査局(FBI)などの捜査が続く中、ユダヤ系ロシア人のオリガルヒ(新興財閥)が、トランプ陣営に強い影響力を持つことが浮かび上がった。特にロシア第二の資産家ミハイル・フリードマン氏は、外交、金融チームに有力な足がかりを築いている。

代理人は伝説的な元駐独大使

 トランプチームとロシアを結ぶキーマンとして、外交関係者のひそかな注目を集めるのが、リチャード・バート元駐独大使だ。七十歳の今も長身でハンサム、エレガントな装いが目立つ。大統領が候補者時代の昨年四月に行った「外交演説」を助け、陣営や政府内での肩書を持たないまま、外交問題で顧問役を務めている。
 バート氏は、レーガン時代に第一次戦略兵器削減条約(START1)の米側交渉団の首席を務めた。駐独大使時代にソ連との間で服役者交換にかかわり、ソ連で収監されていたユダヤ系反体制派のナタン・シャランスキー氏(後にイスラエル副首相)を連れて、東西ベルリン間の橋を渡った。
 マイケル・フリン前大統領補・・・