三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

経済

新連載《地方金融の研究》大垣共立銀行(岐阜県)

土屋家「超長期支配」の異常

2017年4月号

 木曽三川を抱えて雄大に広がる濃尾平野。その一角に位置する水都・大垣市がいま「OKBシティ」と化しつつある。JR東海道線の大垣駅から西美濃の要衝ともいわれた大垣城へと続くアーケード商店街「大垣郭町商店街」は二〇一三年暮れから事実上、「OKBストリート」へと名前を変えた。街には雑貨販売に喫茶店を併設した「OKB牧場」、障害者自立支援の「OKB工房」に、CM制作などの「OKBスタジオ」と、OKB関連施設がまさに目白押し。市南部の大外羽地区には一五年秋、約一ヘクタールの耕作地を持つ「OKB農場」まで誕生した。
「ここは松尾芭蕉の『奥の細道』の結びの地ともなった由緒正しい城下町。『OKB』のアルファベット三文字が溢れ返る佇まいには何やら違和感を隠せない」。地元関係者の中にはこう言って眉を顰める向きも少なくないが、OKBの進撃は止まらない。一六年四月には「岐阜アリーナ」が、そして今年四月からは複合文化施設「岐阜県県民ふれあい会館」がそれぞれ「OKBぎふ清流アリーナ」「OKBふれあい会館」に看板を塗り替えるなど、その関連施設は市域を越えて、県都・岐阜市をも席巻する勢いだ。
 O・・・