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政治

根腐れ始めた自公連立

小池ショック「首都喪失」に為す術なし

2017年3月号

「俺のことを絶滅危惧種と言ってるもんがおるらしいが、俺が絶滅するわけないじゃないか」
 自民党幹事長二階俊博の怒りが収まらない。二階が刃を向けているのは政調会長の茂木敏充であることは自民党内の常識。もともと茂木は「ひとこと多い」軽さが玉に瑕。過去にも多くの政治家と軋轢を生んできたが、今回は相当深刻だ。
 二月初旬に発売された週刊誌が一斉に二階を揶揄する記事を掲載したことで、二階の積年の茂木に対する思いが爆発した。
 二階の側近は「発信源が茂木ということは調べがついている」と語る。具体的には茂木が番記者との懇談の中で、二階をしばしば“呆け老人扱い”しているというわけだ。確かに茂木は才気溢れる政治家ではあるが同時に徳に欠けるため実力者になり切れない。経済産業相、選挙対策委員長など要職を重ねながらポスト安倍の総裁候補に名前が挙がらないわけもこの辺りにある。首相安倍晋三ですら「権力がどこにあるかを嗅ぎ分ける能力は抜群」と周辺に漏らしたことがある。
 しかし、ことは単なる痴話げんかではない。政権与党の幹事長と政調会長の確執、不協和音・・・