〈当院はがんの免疫療法（免疫細胞治療）を提供する国内初の専門医療機関です。十七年の実績と二万名を超える治療経験をもとに、患者さん一人ひとりに最適な治療を提供します〉—「瀬田クリニックグループ」のウェブサイトのトップページは高らかに謳う。
「免疫療法」とは、採取した血液の免疫細胞の働きを高めて体内に戻し、がん細胞を攻撃する治療法。瀬田クリニックはこの療法を手掛ける病院の中では最大手だ。「セレンクリニック福岡」や「東京ＭＩＴクリニック」「東京ミッドタウンクリニック」「湘南メディカルクリニック」「輝鳳会がんのクリニック」—免疫療法を提供する医療機関は全国に三百カ所以上ある。サイトが謳う通りなら、末期がん患者や家族にとってまさに「福音」だろう。だが、実態は全く異なる。
「免疫療法は一九七〇年代から研究されています。だが、今に至るも成果は上がらず、有効性や安全性も確認されていません。いまだに免疫療法に関わっているような研究者は先進国には皆無です」（腫瘍内科専門医）
　都内の大学病院教授は顔をしかめながら、こう断定した。
「これまで何・・・