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連載

西風430

関西財界に新風吹くか

2017年3月号

 関西経済連合会(関経連)の新会長に住友電気工業(住友電工)の松本正義社長(七十二歳)が決まった。このニュースの受け止め方は大阪と東京で大きく異なった。大阪では松本次期会長の経営者としての力量、辣腕ぶりはよく知られ、会社の規模や業績からも順当な人事に感じる人が多い。これに対し、東京では財界人としての松本氏は無名に近く、関経連会長会社の銘柄としても意外性を感じる人が少なくない。
 だが、大阪、東京の経済界で共通して語られたのは、あの事件だった。一九九四年、関経連会長だった宇野收・東洋紡績会長は次期会長に川上哲郎・住友電工社長を指名、関西財界に衝撃を与えた。関西電力、東洋紡、住友金属工業(当時)の三社が順番で回す形だった関経連会長に「住友グループでは下座の電工」(住友グループ関係者)を就けるのは何事かというわけだ。
 関電、住金にも候補者がいるなかで川上氏を指名した宇野氏には硬直化し、衰退の続く関西財界の再生を新鮮な人材に託したいという想いがあった。だが、川上会長は関西の〝お局様企業〟の徹底したイジメに遭い、活性化どころか、何の実績もあげられないまま三年後に去った。本人・・・