中国で溢れ返る「使用済み核燃料」
再処理なき「原発依存」の危険な実情
2017年3月号
原子力依存を進める中国で、使用済み核燃料の扱いが深刻な問題に浮上している。三年後の二〇二〇年には、現存の使用済み核燃料プールが満杯になる見通しにもかかわらず、再処理プラント建設が、住民の反対で宙に浮くという衝撃的事態が起こり、原発推進計画に大きな影を投げかけている。
事件があったのは、江蘇省連雲港市。中華人民共和国成立以前は「海州」と呼ばれ、春秋戦国時代から中国史を彩った。
この歴史的港町の中心部で、昨年八月六日夕、数千人が「核燃料廃棄物施設を拒否する」と書かれた横断幕やプラカードを持って、デモを行った。抗議行動の模様は多くの市民が撮影し、ネットに投稿。数千人規模と見られる治安当局が介入して、暴力的に解散させようとした映像が世界に伝えられ、中には当局者が拳銃のようなものでデモ参加者を脅す場面もあった。
翌八月七日、連雲港市政府は声明を発表し、「(使用済み核燃料再処理)工場建設は、用地選定の段階であり、最終決定ではない」ことを市民に告知した。この後、市民の大規模デモは伝えられていないが、再処理プラント建設の具体的な動きも止まっている。
中・・・
事件があったのは、江蘇省連雲港市。中華人民共和国成立以前は「海州」と呼ばれ、春秋戦国時代から中国史を彩った。
この歴史的港町の中心部で、昨年八月六日夕、数千人が「核燃料廃棄物施設を拒否する」と書かれた横断幕やプラカードを持って、デモを行った。抗議行動の模様は多くの市民が撮影し、ネットに投稿。数千人規模と見られる治安当局が介入して、暴力的に解散させようとした映像が世界に伝えられ、中には当局者が拳銃のようなものでデモ参加者を脅す場面もあった。
翌八月七日、連雲港市政府は声明を発表し、「(使用済み核燃料再処理)工場建設は、用地選定の段階であり、最終決定ではない」ことを市民に告知した。この後、市民の大規模デモは伝えられていないが、再処理プラント建設の具体的な動きも止まっている。
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