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トランプは早晩「普通の大統領」になる

米政界「影の支配者」が矯正に本腰

2017年3月号

「トランプのウォーターゲート」とも呼ばれた、米大統領の「ロシア・ゲート」事件。だが、その真の共通項は、事態の異様さにはない。二件を貫くのは、米国の安全保障、司法機関を陰で動かす「セキュリティー・エスタブリッシュメント」が、最高権力者を意のままに軌道修正させていく、隠れた仕組みの怖さである。

ロシアで「虎の尾」を踏む

 影の支配者たちは、滅多に姿を現さない。だが、トランプ氏が共和党候補者指名を勝ち取り、「トランプ大統領」誕生が現実味を帯びた瞬間、たまりかねてその一端をのぞかせたことがあった。
 昨年八月、五十人の「共和党セキュリティー・エスタブリッシュメント」が、連署の公開書簡で、「トランプが米国の安全保障に与える危険性」を指摘した。
 五十人には、国土安全保障長官だったトム・リッジ、マイケル・チャートフ両氏や、カーラ・ヒルズ元米通商代表、ロバート・ゼーリック前世界銀行総裁ら、表舞台でも知られた元高官が含まれる。だが、多くは国務省、国防総省、中央情報局(CIA)、司法省など、安保・外交や諜報・・・