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社会・文化

厚労省・薬系技官「組織的天下り」一覧

「大胆手口」で大学教授に再就職

2017年2月号

 文部科学省での「天下り斡旋事件」。内閣府再就職等監視委員会の調査で一月二十日、組織ぐるみの関与が明らかになった。「官民癒着」の温床となる官僚の「天下り」は二〇〇七年の国家公務員法改正で規制が強化された経緯がある。だが、文科省以外の役所でも大学への天下りは行われている。恒常的、組織的にだ。さらにはある「禁じ手」までも駆使している。より悪質といっていいだろう。
 問題の官庁は厚生労働省。「薬系技官」と呼ばれる準キャリアたちの処世術に焦点を当ててみる。

学位取得で官僚ならではの「役得」

 薬系技官は新薬の承認や保険適用拡大を決める薬事行政で絶大な権力を握っている。薬剤師免許は必須ではないが、大半は保持者だ。だが、大学薬学部卒業後、すぐに省庁入りする例が多いため、新薬開発や調剤の現場経験はほぼない。
「薬系技官の上がりポストは審議官。局長までの出世は望めません。ただ、最近では審議官級だけでなく、中堅も含め、役所の威光を笠に着た振る舞いが以前にも増して目につきます」(厚労省OB)
 〇七・・・