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政治

自民が目論む連立与党「再構築」

公明・維新に民進「離党組」の糾合狙う

2017年1月号

 首相安倍晋三が政権に返り咲いて満四年。依然として内閣支持率は五〇%を超え、向かうところ敵なしの状況がなお続く。しかも安倍はさらなる政権基盤の強化策を講じ始めた。ただし「飽くなき一強の加速」は、逆に政界全体に新たな軋轢、化学反応を招来させつつある。
 昨年十二月二十二日、衆議院議長大島理森が久々に議長の諮問機関である議会制度協議会を招集し、自民党に苦言を呈した。カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法の審議に象徴される自民党の国会運営に我慢がならなかったからだ。
「議員立法は、提出者が各会派に十分な説明を行った上で理解を得る努力が必要だ」
 抽象的な物言いながらも大島の怒りの矛先が安倍に向かっていたことは明白だった。安倍も大島や衆議院議院運営委員長の佐藤勉に対して強い不満があった。
「議長と議運委員長は受け身の公平な議事運営をしなければならないのに『能動的な国会対策』に乗り出した」
 安倍は周辺にこう語っている。環太平洋経済連携協定(TPP)承認案件の採決日程を大島らが先送りしたことへの反発だった。首相と議長がここまで激し・・・